NHK ― 2015/06/11 00:31
今夜NHK「探検バクモン」は衝撃ハンセン病の歴史だった。現在でも、全国で1700人が隔離されて生活しているという。「爆笑問題」がある施設(ハンセン病資料館等)を訪問した様子を放映していた。当時の実生活の様子や道具、特別室など凄まじい歴史を垣間見ることができた。われわれには映像だけを見ても想像を絶する世界だった。患者の実生活は想像すらできない過酷なものだったようだ。「舌読」には衝撃だった。すべて感覚を失った患者が、わずかに感覚の残っている舌で文章を読み解いている姿(写真)だ。舌が血みどろになりながらでもいかに文字への執着がすごいことか。
実は、昨年?だったか高山文彦著「火花」を電子版で読んだ。文学的に素晴らしい才能を持っていた北条民雄の生涯を描いたものだ。ハンセン病を発病して23歳の若さで死んでいる。凄まじいまでの生への執着、文学への憧れが描かれていて胸を打つ。なんと川端康成(作品を送って感想を求めている)が彼の才能を認め、資金面でも励まし続けていたことも初めて知った。民雄が施設内で亡くなったとき、知人も家族も誰もこないというのに、川端は駆けつけている。ハンセン病への正しい理解があったかどうかはわからないが。北条民雄の代表作は「いのちの初夜」。社会的に抹消され、しかも肉体の諸器官の感覚も崩れていく、まさしく人間としては死んでいるのに、命だけは「びくびく」と生きながらえている、人間ん根源からの叫びを描いた作品だ。
みなさん一度読んでください。電子版で購入できます。
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