アクセスカウンター

太田牛一2015/06/20 21:31

「NHK歴史ミステリー」
これ、みなさんは見られましたか。先の水曜日。黒田あゆみアナの進行で。この放送の主人公は太田牛一です。戦国一のメモ魔と言われた男です。87歳まで長生きしたとか。この男、織田信長の側近として認められ、その男気にぞっこん惚れ込んだ男です。織田信長の後は秀吉にも重宝がられ、秀頼の最期も書き記しています。とにかく徹底して現場主義、侍女近習や関係者への取材を徹底してメモを取る姿勢を貫いた。そこから信長最期の言葉「是非に及ばず」も判明します。信長の軍略、生い立ち、私生活、思想等をこと細かく書き留めたノ-トが15冊。それがそのまま本となり「信長公記」(全15巻)としてまとめられていきます。それがそのまま「歴史」となったのです(NHK放送の言葉)。今となっては当時の様子を知ることが出来る貴重な資料となっています。我々が描いている信長像はこの本に負うところが大きいことも事実 のようです。
私がこの放送を楽しみに(録画もした)していたのには訳があります。それはこの3月に読んだ加藤廣著「信長の棺」全2巻(文藝春秋社刊・Kindle版)を読んだことが始まりです。とても面白くてワクワクしながら読んだものです。この小説では信長の遺骸のいくへを探すことが主題となっています。光秀も秀吉も本能寺の変後、信長の首を必死に探したが出てこなかった。主君の遺骸を探すこと、これは太田牛一が自分なりに取材力・メモ魔の力を発揮して突き止めることが使命でありました。そして主君の遺骸が埋められているところをついに突き止めるのです。その間に、秀吉の出生(百姓では無かった・丹波出身?)のことや黒田官兵衛の人間性(信念のなさ、策士)を嫌っていたことなど、また本能寺の変を起こした光秀が、秀吉やお公家衆、官兵衛などに踊らされていた様子が面白く読むことが出来ます。すべて太田牛一の探索で明らかになっていくところが面白いのです。今まで常識として知っていたことが随分覆されていきます。